2014年04月04日

終物語(下)

買いました。 買って読みました。


いやー、<物語>シリーズの新刊レビュー・アニメ最新話レビューなんかは、毎度ネタバレが含まれるため、発売日や放送日からある程度経過してから書いていたんですが、さすがにいわゆる最終巻のレビューなので、もうその制限を取っ払ってもいいだろう! ってことで、発売日翌日のブログ投稿にしました!

つーことで、今まで以上に「まだ読んでない」人がいるかもしれませんが、この記事はネタバレ満載なのでその辺注意して下さい。

「まだ買ってない」って人は今すぐ書店へ走るかポチろうね!


終物語 (下) (講談社BOX)
終物語 (下) (講談社BOX)



 





「終物語(下)」ですよ。
「化物語(上)(下)」「傷物語」「偽物語(上)(下)」「猫物語(黒)(白)」「傾物語」「花物語」「囮物語」「鬼物語」「恋物語」「憑物語」「暦物語」「終物語(上)(中)」
と、今回の(下)を含めて17冊。

長かった<物語>シリーズも、(「続・終物語」があるとはいえ)これにて終了ということらしいですよ。


そんなわけで早速レビューです。

今回も内容は「まよいヘル」「ひたぎランデブー」「おうぎダーク」と、3つの話に分かれてはいますが、時系列というか話としては一貫しているので、特に混乱するようなモンじゃないと思います。

ただ、この「終物語(下)」を読み始める前に、声を大にして言っておきたいことがあります。


「終物語(下)」を読むなら、今までの物語シリーズ全部読んでから読め!


まぁ「何を今更」って感じなんでしょうが、これは改めて言っとかないといけないなー、と思ったわけですよ。
つーのも、名目上とはいえ最終巻なので、過去に散りばめられていた伏線・フラグの類がだいたい回収されます。(されないものもあるけど)

なので、その伏線を知っておかないと楽しさ半減なわけです。
たとえば「暦物語」を読まずにコレを読んでしまうと、いきなり冒頭から八九寺Pが出てきているので何がなんだかワカラナイことになってしまいます。

そんなわけで、読み飛ばしている作品があるならば、この機会に読みましょう。
ていうか、全作品を再読しておくのも超オススメです。



さて、以下今作「終物語(下)」の感想レビューです。

さっきも言いましたが、全作品読んでから読みましょうね。




1:まよいヘル


この話を読んだあと、私の脳裏に出てきた一発目の感想が

やられたー!

でした。

いやもうそりゃそうでしょ。 誰がいきなり地獄の話になると思いますか!?
アレですか。 講談社つながりで「鬼灯の冷徹」でも読んだんですか西尾維新。

まぁアララギさんが地獄に落ちるのは確定的だからいいんですが、落ちた先が阿鼻地獄なのが納得いかねぇ。
そりゃ聖者冒涜した野郎が落ちるのが阿鼻地獄で、確かにアララギさんはヴァンパイアハンターとか怪異の専門家とかのいわゆる社会的職業としての「聖者」を冒涜どころかバトってたりぶっ殺してたりするんだけれど、それでもあいつは衆合地獄(邪淫罪)に落ちるべきじゃねぇかなぁー!?


もとい。 えーとなんだっけ。

そうそう、「暦物語」のラストで八九寺Pと出会っていたのはリアル世界の北白蛇神社の境内ではなく、地獄の最下層におけるファンタジックな世界だったということです。

なんで八九寺Pが地獄にいるかは本編を読んで頂くとして、じゃあなんでアララギさんが地獄に落ちているかは、そりゃもう「暦物語」で臥煙伊豆湖さんから妖刀「心渡」でぶった斬られているからですね。

私、その「暦物語」の記事

「怪異殺し」で切られたからには怪異が死ぬわけです。
ただし人間が死ぬわけじゃありません。
これは「猫物語(黒)」で、レプリカ怪異殺しに突っ込んでいったブラック羽川が(とりあえずとはいえ)消滅し、羽川委員長は無事であることからもわかります。
そういう意味で、「怪異殺し」で切られたアララギくんが無事なのも当然の話です。 モトモト死なないのです。


とか書いたんですが、アララギさん普通に死んだことになってますね。

仕方ないので、『ぶった斬られてた時点でのアララギさんは鏡に映らないレベルで吸血鬼になってたわけで、もうほとんど怪異そのものと言っていい状態だから「心渡」で斬られたら死ぬ』・・・って解釈になったんですが、いやそれならもう「猫物語(黒)」のブラック羽川も死ぬべきなんじゃないでしょうかね?

羽川委員長とブラック羽川は別個体だとはいえ、一体化してるわけですから、本体の方も斬られたら死ぬんじゃないですかね?

このあたりちょっと納得いってないんですが、まぁ羽川委員長だから仕方ないとしておこうw


さて、怪異であるアララギさんが「心渡」で斬られたあと、地獄に落ち、同じく地獄にいた八九寺Pと再会したのが「暦物語」のラスト・・・ってこれさっき言ったな。

で、「心渡」で斬られたからには「夢渡」で復活させることができるわけで、リアル世界での北白蛇神社で臥煙伊豆湖さんがそれを行うということです。

ちなみになんで臥煙さんが「心渡」と「夢渡」を持ってるかっつーのは、「終物語(中)」で初代怪異殺しの甲冑をパクってましたんで、それで二本の妖刀(のレプリカ)を作り直してたわけですね。


一方、地獄側の2人は阿鼻地獄のお約束というか、アララギさんの生前の行いをまざまざと見せつける「寄り道」をします。

その「寄り道」において、神原駿河とファイヤーシスターズなどなどが登場しなかったのは、「アララギさん側から積極的に怪異に関わっていった事件」ではなかったからだそうです。(正直これもあんまり納得いってないんですが)

逆に、アララギさん側から関わった事件について、主要ヒロインが登場しては消えていきます。
「あの時あいつを助けなかったら」という可能性を、アララギさんに考えさせるわけなんですが、まぁコイツがそういう可能性を考えたところで、実行する可能性はゼロに限りなく近いと思いますし、実際自分でもそう言ってますが。


そういう「寄り道」を終えて、最終的に辿り着いたのは北白蛇神社(地獄の中の)。
そこに待ち受けていたのは、閻魔大王でも鬼灯さんでもなく、余接ちゃんに爆殺されたはずの手折正弦でした。


お前かい!

と、初見では思わず叫んでしまったんですが、どうやら余接ちゃんに殺されたのは予定通りのことで、ていうか爆殺されたのは「手折正弦の人形」であり、本体はとっくに死んでいて(それによって自分を怪異化する)、あの世(本人いわく天国らしいが疑問)から人形を使って現世に干渉(いわく「出稼ぎ」)しているらしい。

うん、わかりづらいけど仕方ない。


以前の「憑物語」の記事で、

で、誘拐犯こと手折正弦(ておりただつる)。
こんなカワイソウなキャラは久しぶりに見た。
あの凶悪悪役キャラクターの貝木泥舟でさえ火憐ちゃんに一泡ふかせ、阿良々木君を手玉にとり、あまつさえ「ひたぎエンド」ではストーリーテラーとして登場しています。
ひきかえコイツが何をやったかというと、
ファイヤーシスターズと神原駿河を誘拐したのち、すみやかに余接ちゃんに殺されるという、本当に何しに出てきたかワカランキャラに仕上がってしまいました。
いや、もちろんそれはこの「物語シリーズ」が、「『誰か』の都合のいいようにキャスティングされた本当の意味での『物語』である」かのような捉え方をするには必要で、そして十分なキャラだったと言えるかもしれませんが、それにしてもヒドすぎるw
ていうかオイ、「物語シリーズ」じゃ死人は出ないんじゃなかったのか西尾維新。(八九寺は元々死んでるのでセーフ)
まぁこんだけアッサリと死んでくれれば感情移入も何もあったもんじゃないので、それはそれでもはや死んでる事にはならないかもしれませんが、本当にそれでいいのか西尾維新
キャラ的には悪くないと思うので、今後どっかでヒョッコリ出てきて欲しいんですけどねー。
無理だろうなー。



とか書きましたが、本当にヒョッコリ出てくるとは思わなかった。

あと「死人が出ない」云々について、「もうとっくに死んでるからセーフ」という八九寺Pのパターンをまた使うんかい。 いいんですけどね。


で、つらつらと手折正弦の説明モードが入ります。
途中で余計な雑談とかが含まれててややこしくなってましたが、重要なことは以下に絞られます。

1:アララギさんと忍ちゃんがキャッキャウフフしてるうちは、無害な怪異として臥煙ネットワーク内ではスルーされていた。

2:しかしアララギさんの吸血鬼化が進行してしまったことは、怪異の専門家にとっても重要&危惧すべきことだった。

3:吸血鬼になりつつあったアララギさんを退治する依頼が「敵」から手折正弦に来る可能性が高かった。

4:臥煙伊豆湖さん(および忍野メメ)は、そういう場合に備えて、あらかじめ手折正弦に「受けたフリ」をするよう依頼していた。

5:ただし影縫さん&余接ちゃんにはそれを話さず、「臥煙ネットワークで無害認定を受けているにも関わらず、それを退治しようとしてる手折正弦を倒せ」と命令する。

6:無事に(人形が)爆散した手折正弦は、一足先に地獄でアララギさんを待っていた。

7:臥煙さんが「心渡」でアララギさんを斬り、吸血鬼性をなくして地獄へ落とした。

8:普段から現世とあの世を彷徨ってる半人半妖の怪異・手折正弦の導きで、アララギさんは人間として蘇る。

・・・ということで、まぁ遠大な計画だなぁーって感じです。

そしてその通り、天から降りてきた蜘蛛の糸、ならぬ白蛇の縄で逆バンジー風に現世に戻るアララギさん。

逆バンジーが発動したまさにその瞬間、思わず足で八九寺Pを蟹挟みにして、ムリヤリ一緒に現世にたどり着きました。

地獄側からしたら見事に誘拐ですよねこれ。


とはいえ、これでアララギさんが人間として復活し、忍ちゃんはアララギさんとの束縛が解けて全盛期のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(通称「忍さん」)となり、八九寺Pも現世に戻り、何でも知ってる臥煙さんの指揮のもと、「敵」である忍野扇ちゃんと決戦のメンツが揃ったのでした。




2:ひたぎランデブー


アホラギさんがガハラさんとデートでイチャつく話です。 以上!


・・・というのは感想レビューとして流石にアレすぎるので、ちょっと掘り下げてツッコミ入れていきましょう。

大筋としては前述のとおりイチャつく話なんですが、前半余接ちゃんや月火ちゃんが出てきたり、中盤と最後に扇ちゃんが出てきたりして、ガハラさんが微妙に影薄くなってるのは気付いちゃダメです。


でまぁ、彼氏の受験が終わった翌日、おあつらえ向きにホワイトデー、しかも半年ほとんどデートなんぞしてねぇ・・・ってんでデートの提案をするわけなんですが、その大切なデートは夕方で切り上げて、夜は父親と食事(ホワイトデーだから)ってどういうことですかガハラさん。

ファザコンっぷりは今更だからおいといて、高校卒業間際のホワイトデーの時期に、取得したての免許で、運転するのはレンタカーで、隣に載せるのが彼氏で、おそらくプライベートでは一発目の運転でデートって無茶すぎませんか。

手の込んだ心中だと思われても仕方ないと思いますよ。
しかもアララギさんの吸血鬼性失われてるんですよ。 殺す気ですか殺す気ですね。

っつっても、完璧超人羽川委員長までいかなくても、すべてのスキルがトップクラスにあるガハラさんなので、つつがなく不備なく運転してたらしいんですが、その運転中に爆弾発言。

「羽川委員長が忍野メメの居所を突き止めた」

アララギさんは「はぁ!?」って驚いてましたけど、私の個人的感想から言えば「遅えぇ!」でした。

もちろん忍野メメが再登場するにはココしかないわけで、そうなってくると突き止めるタイミングもココしかないわけなんですが、それにしてもちょっとキャラ設定として間違えたんじゃないかな西尾維新。

羽川委員長の完璧超人設定を活かすのであれば、もうちょっと早い段階で見つけててもおかしくないわけですし、忍野メメの(飄々とした態度とは裏腹の)実力者設定を活かすのであれば、もう物語シリーズが終わるまで(羽川委員長が探しているにも関わらず)登場させない、というのがベストだと思うんですがねぇ。

ご都合主義は嫌いじゃないんですが、あまりに前フリなく発見と言われても「おせぇ!」としか。

「早い段階で忍野メメを発見していたけれど、説得するのにアホほど時間がかかった」とかそういう事なら納得もできるんですが、発見から帰国まで弾丸ツアーだったようですのでそれもないみたいですし。

しかしさっきも言いましたけど、再登場はココしかないので仕方ないっちゃ仕方ないんですが。


さて、話は戻ってアララギさんとガハラさんのデート。

その内容は、午前中にプラネタリウム・科学館へ行って、軽く昼食を摂ってボウリング行って、その後ティータイムを挟んでカラオケで〆る・・・らしいのですが、いやいや詰め込みすぎだろタイムスケジュール狂ってるだろ!

普通もっと余裕もって予定立てるだろ! 気の休まるヒマがねぇよ!

しかもアララギさんは前日に地獄めぐり&蘇生&人間に戻る&入学試験、というハードスケジュールをこなしてヘロヘロなので、プラネタリウム中に爆睡するという大失態。

うん、でもアララギさんの気持ちはわかる。

その爆睡中、アララギさんの夢の中に扇ちゃんが登場して、またタチの悪いことを吹き込むわけですが、もうこれ扇ちゃんはHELLSINGのシュレディンガー中尉みたいになってんな。
なんでもアリみたいになってんな。

午後の遊びパートでは、アララギさんとガハラさんの賭けボウリング&賭けカラオケが行われまして、「敗者は勝者の言うことを何でも聞く」という、小学生レベルの勝負が行われました。

ボウリングでは、ガハラさんが第1フレームから第5フレームまでパーフェクトを出していたにも関わらず、「腕がしびれた」という理由で第6フレームから最終フレームまでガターで、人生で始めてボウリングするという「超ド初心者」のアララギさんがわずかに勝利、ということになってしまいました。

いや、5フレまでパーフェクトなら、残り全部ガターでもスコアは120ですよ。
それに勝ったってことは、ボウリング超ド初心者がいきなりそれ以上のスコアを出してるわけで、アララギさんなかなか上手いんじゃね? と思ってしまいます。

ちなみに勝ったアララギさんが要求した罰ゲームは「ティータイムまで腕組んで歩く」というヘタレなもの。
そこはガッツリいっとかんかい!!

・・・ん? てことはこのバカップル、1ゲームしかやってないってことか。
店側からしたら「回転率がよくなって良い」とも言えるし、「冷やかしかよ!」とも言える。


続いてカラオケ。 ここは2時間コース。
またしても総合得点で「敗者が勝者の言うことを聞く」ルールを持ち込んだガハラさんですが、合計3点差で負けてしまいます。

今回の罰ゲームは、なぜか罰を受ける側のガハラさんから提案した、「駐車場までお姫様抱っこ」。
どっちが罰なのかはこの際おいといて、ハタから見たらイタいカップルにしか見えないんですが大丈夫なんですかね・・・。

てことで特に面白いトラブルもなく、夜はガハラさんとお父様とのデートがあるので、アララギさんの出番は夕刻で終了。

その帰りの車内で、「バレンタインのお返し、何も用意していない」というアララギさんに対して、ガハラさんは往年のキレ芸で前フリをしつつ、

「名前で呼んで」
 一生。
 と、戦場ヶ原は言った――その表情は。
 ただ、赤らんでいた。
「私のこと、名前で」
「……え? 呼んでるじゃん。戦場ヶ原って」
「じゃなくて、下の名前で。呼び捨てに」
「…………」

  (中略)

 一生、その名を呼び続ける。
 こちらとしても――望むところだった。
 願うところだった。

「ひたぎ」




あーもうこの野郎ども末永く爆発しろ!!


・・・とは言うものの、私の穿った見方では、ガハラさんとしては、アララギさん側からこのファーストネームでの呼び捨てを提案して欲しかったんじゃないかな?という気がします。

つまり、ボウリングにしろカラオケにしろ、ガハラさんはワザと負けてたんじゃねーかなと。

だってそうでしょう。

普通に考えて、ボウリングで1フレから5フレまでパーフェクトなのに、いきなり6フレから10フレまで全部ガターっておかしいでしょう。
本人は「スプリント選手だからスタミナがなくて5フレで腕が痺れた」っつってましたが、いやスプリント選手だろうが一般人だろうが引きこもりだろうが、わずか5投で腕が痺れるわけないでしょう。

そう思うと、カラオケの場合さらに顕著です。

「アララギさんが羽川委員長と何度かカラオケに行っている」という事実をガハラさんは知った上で、つまり相手はカラオケ慣れしていると分かった上で、採点勝負を挑んでるわけです。
もしかしたら、羽川委員長からアララギさんの歌唱力について、どの程度なのか聞いている可能性も高いです。
そして、ガハラさん本人はというと、「リモコンを明らかに不慣れな手つきで操作して、カラオケマシーンを『採点モード』にした。」(P.227)ことから、カラオケ慣れはあんまりしてないはずですよ。

そんなわけで、ボウリングにしてもカラオケにしても、いい勝負を演出してワザと負ける、いわゆる接待勝負をやってた可能性があると私はニラみますね。

まぁ、だからどうしたって感じですがw


さて、ガハラさんとのデートが終わったアララギさんが帰宅すると、自宅前で待ち構えていたのは扇ちゃん。
完全に自分の置かれている立場がわかっているようで、それどころかこのままだと確実に臥煙さん側から退治されるって所まで認識しているようです。

そこで、アララギさんに「そうなった時には助けてください」と無茶なお願いをするんですが――。




3:おうぎダーク


あのね、冒頭でいきなり臥煙さんと忍ちゃんと八九寺Pが野球やってたらお茶吹くしかないでしょう。

しかもピッチャー臥煙さん・ボールはその辺の石、バッター忍ちゃん・バットは心渡、キャッチャー八九寺P・なぜか味方なのに「ピッチャーびびってますよー」とか言う。

お前ら少しでいいから緊迫感ってのを持っとけよ。

わけのわからん遊戯をしながらアララギさんを待っていたわけですが、これもしアララギさんの親御さん(警察官)が見たらどう対処するんだろう。

見た目20代の女性が石を放り投げて、見た目金髪碧眼の美女が長大な刀でそれを迎撃しようとしていて、その石を捕球しようとしてるのが見た目小学生の女児。

その光景を我が子が呆然と見てる、という光景。

私が親御さんの立場なら、見て見ぬ振りをするしかないんですが・・・。


まぁとにかく、本人たちには緊迫感が一切ないのに、周りから見たら緊迫感しかない状況で、ブリーフィング開始。

まずそれぞれどうするか、ということについて。

まず忍ちゃん。 選択肢は2つ。
1つはこのまま――全盛期のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードのまま、ヴァンパイアハンターに狙われつつも、自由な生活に戻る。

2つ目は、今までそうだったように、アララギさんの主人兼眷属として、吸血鬼の絞りカスとして、無害認定は下りるがアララギさんに縛られたまま生活する。

忍ちゃんの答えは即答で2。 というより「幼女に戻してほしい」とさえ言い放つ。

そりゃね、過去の世界であんだけボロクソになった自分を見て、アララギさんがいなけりゃエラいことになる・・・と自分で認識した上、アララギさんへの依存度が益々上がってるので、むべなるかな。


続いて八九寺P。 こちらの選択肢は3つ。

1つは「アララギさんによってムリヤリ現世に連れ戻された」ので、元通り地獄へ戻る。
2つ目、このまま「迷わせることのない迷い牛」として、再度『くらやみ』に飲み込まれる。
3つ目、北白蛇神社の新しい神様として、幽霊から神様へジョブチェンジする。

八九寺Pの答えは当然3。
撫子ちゃんの事件がトラウマになってるアララギさんは反対しかけるんですが、いやいや反対する理由はないだろう。
3番以外の選択肢が悪夢以外の何者でもないよ。

ってか、前回「終物語(中)」の記事で、八九寺Pが復活した(と思った)理由として、

その2:臥煙さんが、北白蛇神社の新しい神様として、八九寺Pを据えた

個人的には、今回の「終物語(中)」を読み終えた時点で、こっちの可能性が高い気がしてしゃーないです。
北白蛇神社が怪異のエアスポットであることは散々言われてましたし、それゆえ忍野メメも臥煙伊豆湖さんも、どうにかしてやろうと行動してたフシがあります。
忍野メメは御札を貼って中和してましたが、その御札は今回アララギさんが卑怯な手を使って初代怪異殺しに貼り付けちゃったので、もう使えなくなってるはずですね。
そして、だからこそ臥煙さんは余接ちゃんに「クチナワさんのご神体」を探してきてもらい、忍ちゃんに北白蛇神社の神となるよう画策してたわけです。
その後、扇ちゃんと撫子ちゃんのおかげで「忍ちゃん神様計画」はブチ壊されましたが、貝木泥舟がそれをさらにブチ壊したのは「恋物語」の通り。
となると、北白蛇神社の神様はまだ不在なので、臥煙さんとしては早く神様に入ってもらわないと困るワケです。
となると、この町にゆかりがあって、神様にできそうな怪異(忍ちゃんはその気がないっぽいし)というのは、登場している中で一番可能性が高いのが八九寺Pってことになります。


という考察を書いたんですけれど、多少順序は逆になりましたが、結果的に想像通りになりましたね。

八九寺Pは「これからも阿良々木さんと楽しく遊べる」って理由で神様の仲間入りを承諾してましたが、そう言われてはアララギさんも納得せざるを得ない。


そしてアララギさん。

この時点では自分が何をすべきか迷っていた感もあるんですが、臥煙伊豆湖さんのお姉さんで、 俺の嫁 神原駿河の母である臥煙遠江が、生前に行き遭った怪異と、扇ちゃんの正体が同じようなものである・・・という事実を受け止め、扇ちゃんを退治することに決めます。


その扇ちゃんの正体とは。

「忍野扇の正体は、阿良々木暦だ」

・・・というのは臥煙さんの言葉ですが、まぁそういうわけでした。

臥煙さんはイロイロと持って回った事を言っていたし、自分の姉の体験談を元にしてましたのでワカリニクイんですが、私から言わせれば、臥煙さんの姉、臥煙遠江が生み出したレイニー・デヴィルも、今回アララギさんが生み出した忍野扇も、結局は自分の、自分へのストレスが原因だったわけで、ブラック羽川や苛虎と何ら変わらない気がします。

ブラック羽川や苛虎は、羽川委員長が自分のストレス――嫉妬心を押さえつけたがゆえに発現したもので、アレは本当にストレス発散していた、「周りに迷惑かけるだけ系」の怪異ですね。
いやこれはこれでタチ悪いですが。

対して臥煙遠江および阿良々木暦が生み出してレイニー・デヴィルや忍野忍も、自分が行ったことに対しての自制心、自己批判がトリガーとなり、そのギャップがストレスになって発現したものと言え、こちらは「自分を中心に、周りも巻き込んで迷惑かける系」の怪異。

どっちがタチ悪いのかは判断しかねますが、どっちにしろ周りにとってはいい迷惑ですなw


そんなわけで、8月からこっち、セカンドシーズンからファイナルシーズンにかけて暴れまわった忍野扇ちゃん。
正体不明の怪異である彼女の正体は、阿良々木暦が作り出した自己批判のカタマリだった、ってことでした。

それを看破した瞬間、『くらやみ』が扇ちゃんを飲み込もうとして・・・という云々は終物語(下)のクライマックスなので多少割愛するとして、あれ? そうなってくると、またよくわからん状況になるぞ?


アララギさんの自己批判のカタマリである扇ちゃんが、アララギさん本人を巻き込むのはわかる。

だが、なんで扇ちゃん(=阿良々木さん)はクチナワさん事件で撫子ちゃんを焚き付けたんだ?

アララギさんが「なでこスネイク」の事件で負った自己批判は、「撫子ちゃん以外は助けられなかった」ってもので、これは神原駿河にも「助けるべき相手を間違えないでくれ」って一喝すらされてたことですよ。

「撫子ちゃん以外は助けられなかった」としても、助けるべき撫子ちゃんを助けたわけなんですから、自分の力不足を嘆いて自分を罰するのはわかります。 が、そうではなくて撫子ちゃん焚き付けて、蛇神様にしてしまった・・・ということは、アララギさんは心のどこかで「千石撫子だけ助かりやがってコノヤロウ」と思ってたことになりますよ。

こえぇよ。


同じように、終物語(上)で老倉育を追い詰めたり、羽川委員長に敵意むき出しにしたり(これはアララギさんによる羽川委員長に対する負い目かな?)、してましたが、いやいや自分(=阿良々木暦)を制裁しろよ、と。

おっぱいバトルやってる場合じゃなかったろーがw



まぁ今回、最終的には忍野メメのおかげで扇ちゃんも助かったわけで、一応八方丸く収まったというか、収まってない部分もムリヤリ丸くしやがったというか、結局何が何だったんだ、というか。



さて、長く続いた<物語>シリーズも、とりあえずは完結・・・ってことですが、一つ回収し忘れてる巨大な伏線があるんですけれども。



「花物語」で「扇ちゃん」が「扇くん」になってるのはどういうことだ西尾維新?


その辺の伏線回収、「続・終物語」で期待しているぞ!

また上中下巻になってもいいから続けろよ西尾維新!!
posted by クリフジ | Comment(2) | TrackBack(0) | <物語>シリーズ
この記事へのコメント
終物語下で書いてありましたよ?扇ちゃんは、阿良々木暦自身、そして多分(一応確定ではないので)扇くんは、神原駿河自身でしょう。別人です。
-------------------------------------------- Posted by 名無し at 2014年04月08日 12:41
>>名無しさん
いらっさいませー。

「扇ちゃん」がアララギくんだとは明記されてましたが、「扇くん」が神原駿河だとは確定してないのがネックですね。

もし男女で全く別の個体ならば、「花物語」では扇ちゃんと扇くんの2人が同時に存在しちゃう可能性があり、その場合神原駿河のリアクションが不自然なので、こいつらは同一個体(1人しかいない)だとは思います。

しかし同一個体であれば、忍野メメは「姪っ子」と認めて扇ちゃんの存在を嘘ではないものにしましたが、「甥っ子」として認めてはないので、これまたヤヤコシイことになりますね。

まぁ、この『なんだかよくわからない』のが「忍野扇」という怪異なので、その辺の説明を「続・終物語」に期待したいところですw
-------------------------------------------- Posted by くりふじ at 2014年04月08日 16:50
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/92525412
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック

このページ内における「ラグナロクオンライン」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、
運営元であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社と開発元である株式会社Gravity
並びに原作者であるリー・ミョンジン氏に帰属します。
© Gravity Co., Ltd. & LeeMyoungJin(studio DTDS) All rights reserved.
© 2007 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。