っつっても、リアルでいろいろゴタゴタしてて、数日ほど積読状態だったんですがw
私の事なんぞどうでもいいとして、早速本題。
例によってネタバレまくりなので、読んでないって人は先に読んどいたほうがいいと思います。
・・・なに? まだ買ってない?
いますぐポチれ! そして読め!!

終物語 (上) (講談社BOX)
・・・読んだ?
では続きをどうぞー。
さて今回の「終物語」、アララギさんが扇ちゃんにおちょくられながら進行していく感じですが、今までの「物語」シリーズとは少し毛色が違っていて、ミステリ寄りの話になってます。
犯人探し、動機探し、そして密室トリックの謎。
一応1話完結型の短編が3つの構成になってますけれども、どれも話の中心にいるのは、アララギさんの幼なじみというか昔馴染みの、「老倉 育(おいくら-そだち)」さんです。
まぁ彼女――、老倉さんについては、個人的にはあまり好きではないタイプなので何とも言いがたいんですがw
とりあえず、ストーリーごとにツッコミを入れていきましょーぅ。
あ、けっこう長くなるので、時間のあるときに読んでね☆
第一話 おうぎフォーミュラ
「フォーミュラ」っつーのは、数学の公式やら化学式やら魔法の呪文やらといった意味があります。
「なにかを成すための、または為すための手段」って感じでしょうか。
話の流れ的には「数学の公式」の意味が一番強いでしょうけれど。
そこは別に重要でもないので、説明程度にとどめておきます。
この話で、アララギさんが過去(直江津高校1年生時)で「友達は要らない。 友達を作ると、人間強度が下がるから」とかいう、厨二病をこじらせまくったとしか思えない考えに至った理由が判明します。
ま、ぶっちゃけて言うと、正義を信じてた野郎が正義に裏切られた・・・って感じなんですが、どうせアララギさんだしどうでもよろしい。
話としては、アララギさんのクラスのマジメ集団(老倉さん含む・・・というか主導)が、翌日に行われるテスト対策に勉強会(数学)を開催し、それに参加してた人たちが思った以上に良い点数を取ったことから、どうやらカンニング・・・というか事前に答えを知っていて、参加者に情報をリークしたんちゃうんか、ということらしい。
で、勉強会に参加してようがしてまいが、情報をリークする・・・事前にテストの内容もしくは答えを知ることができた人、つまり犯人は、クラスの誰かだということで、臨時学級会という名前の糾弾会が、老倉さんによって開催されました。
犯人探し・・・というか犯人当てで、語り部がアララギさんであることから、叙述トリックを使った感じになってます。
うん、まぁみんなこの記事を読んでるってことは、原作もモチロン読んでるはずだし、ネタバレ上等なわけなので、以下、オチも含めてネタバレ&ツッコミなんですが、読んでない人はマジで先に原作読んでね!
さて、結局は鉄条先生・・・当時アララギさんが所属していたクラスの担任教師(女性)が犯人だと扇ちゃんに看破されたわけです。
もちろん教師なので勉強会には参加してないはずなのに、勉強会で対策したところがジャストで出るテストだった・・・のはなぜか。
犯行手順および動機としては、
1:テスト前日に教室で行われた勉強会(お菓子とか持ち込み)によって、散乱してた教室を片付ける鉄条先生。
2:その時、黒板に勉強会の内容(の痕跡)を発見し、自分が数学担当教師だったことから、自分のクラスの平均点を上げようと画策する。
3:その日の2限目に行われる数学のテスト(1限目は保体)の問題を、勉強会に沿った内容に作り変える。
4:すると、勉強会に参加してた生徒はもちろん良い点数を取る。
5:自分の担当している教科で、自分の担当しているクラスの成績が良いわけなので、当然自分の指導力という意味で評価が上がる。
ってことらしいです。
担任教師(しかも女性)に「ジョー」という男性形ニックネームをつける元1年3組の発想力はタチ悪いものがあるとしか言えませんが、まぁそれはそれとして、「生徒と思い込んでいたものが実は先生だった」(またはその逆)っつーのは学園系ミステリでよくあることです。
我孫子武丸さんの名著 「殺戮にいたる病 」
とかまさにそれですね。
我孫子武丸さんはゲーム「かまいたちの夜」のシナリオライターとしても有名です。
この本もかなり面白いですが、多少描写がグロいので、気になる人だけ読んでみればよろしいかと。
まぁアレはサイコパス的殺人犯の話でしたけども、こっちは事件としても動機としてもかなり柔らかいので、グロが苦手な人でも平気ですね。
自分の評価を上げるためにテストの問題を変える先生って。
いやー。
ないだろー。
正直私は底辺高校出身なので、こういうドエリート進学校の生徒さんの気持ちはサッパリわからんのですが、まず最初に、単純にクラスの平均点を上げたいのなら、アララギさんも言ってたように、授業中にでも「はいここ試験に出しまーす」とでも言えばいいだけですよ。
学力至上主義のエリートどもなんですから、そこまでハッキリ言わなくても、それなりに匂わせるだけでちゃんと重点的に勉強しますよ。
無理矢理に、逆カンニングみたいな事をして問題を作り替えるまでもないと思うんですよね。
あと、逆カンニングといえば、この先生は生徒が登校してくるぐらいの時間に、クラスの掃除を手伝ったわけですけども、まぁ普通に考えれば、問題を作り替えるヒマがあったのかどうかってことですね。
一応、劇中では「1時間目が保体のテストだったので、その間に作り変えたのか」と言ってましたけども、ちょっと考えてみましょうか。
まず1時間目が始まるまでは普通に無理ですね。
テスト中といえど、先生だってヒマじゃありません。 それが担任となると尚更です。
直江津高校は私立の進学校なので、私の通っていたド底辺公立とは違うんでしょうが、それでも普通は朝に職員室でミーティングがありますね。
んで、担任なんですから、その後にクラスでいわゆる朝学活、出席確認をしますよね。
ということで、問題をすげ替える時間は、本当に1時間目のテスト中だけってことになります。
だいたいの高校では、授業1時間(ていうか1時限って言った方がわかりやすいかw)はおそらく45分〜50分でしょう。
まぁ、私立の進学校なので、1時限が90分とかいうところもあるかもしれませんが、ここでは一般的な高校に当てはめます。
さて、知り合い・・・というか後輩に高校教師見習いがいるので聞いたところ、学校や先生によってもちろん差はあるものの、定期テストの作成には短くても数時間、長ければ数日かかるそうです。
そして、ここが重要なのですが、数学に限らず教科の担当教師が学年に1人だけ、しかも担任掛け持ち、という学校は聞いたことがない・・・ということです。
教科の担当教師は学年に複数名いるのが普通で、少なくとも学校には複数名いるはずです。
なぜならば、もちろん普段の授業の都合もありますし、定期テストの作成も交代で行い、テストに出す問題を先生同士で互いに解いてみて、出題するに妥当か、問題にミスがないか、その辺を判断するということです。
テストが終了した後、答案の採点も手分けしてやることで、負担を減らす意味もあります。
それらを踏まえて、鉄条先生が行ったことをシミュレートしてみましょう。
保体のテストが始まったら、まず最初に用意しておいたテストを破棄し、問題を作り替えます。
大問を作り替えるだけなので、配点の高そうなヤツをチョコチョコいじるだけで大丈夫でしょう。
「勉強会で出題されていた問題」の類題を出すとはいえ、1問あたり10分ほどかかるんじゃないでしょうか。
まさか勉強会の問題そのまま出すわけにもいかないでしょう。 一発でバレます。
というより、原作で「勉強会でやったのは類問だった」と明記してありますし。(P.103)
劇中では3問作り替えてたらしいので、これで30分です。
作ったら同じ教科担当の先生にも解いてもらいます。
もうここで怪しさ爆発ですが、「出題にミスがあった」とか何とか言い訳して、やってもらわざるを得ません。
もしここで誰にも相談せず誰にも見せずにすり替えたら、テスト終了時に他の教師によって「何勝手にやっとんじゃい」と、モロバレしてしまいますからね。
まぁ、数学教師なんですから、1問解くのに3分ぐらいでいけるでしょう。 ということで合計9分。
はい、すでに50分のうち40分ほどを使ってます。
そしてここからが大変です。 問題を作ったら、プリントアウトしなければならないのです。
直江津高校が学校のサーバから無線LANを使って問題配信、生徒はタブレットなりノートPCなりの端末で答えを入力・・・という超ハイテク高校なら別に問題ないんですが、まず有り得ないでしょうw
この高校がどのぐらいの規模なのか知りませんが、校舎に別棟があるぐらいなので、そこそこの規模だとは思います。
たいていの高校の1学年がだいたい全部で300人ぐらいらしいのですが、アララギさんのクラスに在籍していた生徒数が37人ということから、まぁそれと似たような人数なのではないでしょうか。
てことは、あと10分で300人分ほど印刷しなければなりません。
最近主流のモノクロレーザープリンタは、1分間に20〜30枚ほどの印刷速度を誇るようです。
作り替えた部分だけを別紙で印刷するとしても、10分で300枚ギリギリです。
ギリギリです。 ギリギリすぎます。
解答用紙を新たに印刷するヒマなんてないでしょうから流用するしかありませんが、まぁ元々あった極限・不定積分・確率分布の問題を変更しただけなら、解答用紙はそのままでも大丈夫と言えます。
しかし自分の評価を上げるためにやったことが、一歩間違えれば「テストの時間にテストができていない」という、評価ダダ下がりの結果になるかもしれなかったところです鉄条先生。
しかも、テストが終わってみれば「自分の担当するクラスの成績だけ妙に良い」んですよ。
怪しさ炸裂です。
鉄条先生はその後、妊娠したってことで産休をとったらしいのですが、もしかしたら本当は一連の事件がバレてたんじゃないでしょうか。
その責任で休職というか停職、そしてそのまま産休へ・・・ということかもしれません。 穿ち過ぎですが。
まぁ、原作で「犯人は鉄条先生だった」ということが正解として出されているので、その辺はひっくり返しようがないんですけども、ちょっと現実的じゃないなー、と思った次第です。
第二話 そだちリドル
「リドル」というのはナゾナゾという意味です。
まぁこれもどうでもいいので、説明程度に(ry
今回はアララギさんの中学生時代の話。
中学生のショタ暦が、靴箱に入ってた手紙にホイホイ釣られて指示された廃屋っぽい家に行ったら、美少女が出てきて「一緒に勉強しよ☆」とか言ってくれたというお話です。
ああもううらやまけしからん。 死ね。
さてアララギさんが爆発すべきなのは確定ですが、その美少女がいわゆる老倉育なわけです。
んで、夏休みいっぱいまで、ショタ暦とロリ育が、一緒にキャッキャウフフと数学の勉強してたわけですが(ちくしょう死ね)、夏休みの終わりに、老倉さんはふっと姿を消してしまいます。
さて今回の謎は、「老倉育がなぜ何も言わずに姿を消したか」そして「老倉育は阿良々木暦に何をしてほしかったのか」の2点ですね。
まぁ、言い換えれば「阿良々木暦が何かをしなかったために、老倉育は姿を消した。それは何?」と、1点になるわけですが。
さて以下ネタバレ&ツッコミ感想です。
オチから先に言うと、老倉さんは家庭内暴力の被害に遭っており、両親が警察官であるところのアララギさん(具体的にはその両親)に何とかして欲しかったが、ショタ暦は空気が読めなかったので何もせず、一家離散となった。
原作を読んだときに「その家って老倉さんが住んでる家なんちゃうんか」とまでは分かったんですけど、さすがに姿を消した理由までは分からなかったですねぇ。
つーのも、金銭的な理由で見た目廃墟のような家でも、住んでる家族は幸せって家庭はいっぱいありますし(微妙に失礼)、だからこそ老倉さんは普通に(何の問題もなく)引っ越ししたもんだとばかり思ってました。
それだとエピソードにするまでもない、ひと夏の思い出なわけで、話としては面白くないんでしょうけれどw
っつーことで、この話に対するツッコミはあんまりありません。
なぜなら、あまりにも出てくる情報が少なすぎる上、大した謎でもないからです。
ただひとつ、この話を読み終えた時点で少女老倉に言いたかったことは、「家庭環境で言うなら、羽川委員長はお前の20段先を行っている」でしたねー。
まぁ、羽川委員長みたいな本物のバケモンがそうそういるはずもなく、っていうか老倉さんが「そだちキャット」になられても困るので、アレはアレで良かったのかもしれませんがw
・・・と思ってたら、次の話で羽川委員長と老倉さんがカラむとは誰が想像してたでしょうかww
あ、そうそう。
この話の冒頭に出てた、モンティ・ホールだかモンティ・パイソンだかコルト・パイソンだかコルト・ガバメントだか知りませんが、そういう系の問題は、
http://chaos2ch.com/archives/3887482.html
このあたりにまとめられてますので、チャレンジしてみると良いかも。 良くないかも。
第三話 そだちロスト
「ロスト」はそのまんま、消失って意味ですね。
話のキモである、老倉さんの母親が密室からいなくなった(=消失した)というところに絡んでいるわけです。
最後の最後で老倉さんがまた引っ越していなくなった、という意味でもありますが。
で、その老倉さんの母親が消失した事件。
自分の部屋に引きこもって――、ドアにはカギをかけ、窓には板を打ち付けた、完全なる密室に2年ほど引き篭もっていた母親が、あるとき急にいなくなったらしいのです。
ま、普通に考えれば、いきなり引きこもりが解消されて、いきなりフラッとどこかへ行って、そのまま帰ってこなくなった、というセンが一番有力なはずなんですが、その検証をする前に、扇ちゃん&羽川委員長が答えを出してしまったので、なんか有耶無耶になってしまいました。
あ、この話の見どころに、「羽川委員長にケンカを売る扇ちゃん」というなかなか面白い一幕があります。
もっと具体的に言えば、「羽川委員長の巨乳にケンカを売る、貧乳の扇ちゃん」って感じですがw
その辺はまた最後にでも言及するとして、以下ネタバレ&ツッコミでーす。
「老倉さんの母親は、消失するだいぶ前に死んでいて、死体が腐敗し切った時点で、消えたように見えた」
っつーのが正解らしいです。
うん。 納得いかねぇ。
いや、この消失トリックについてはまぁ、「それが答えだ!」と言われれば反論する余地がないんですけど、この消失の原因を老倉さんが知らなかったような感じになってるのが納得いきません。
ずっと親の世話をしていた老倉さんが、母親の死に気づかないはずありません。
なぜ気づかなかったのか?
老倉さんのセリフを引用すると以下です。
「本当、酷かったのよ。鍵のある部屋こもっちゃって、部屋の隅でうずくまって、食事の上げ下げも全部私がやるんだし。その食事さえ、そのうち全然食べなくなって。お母さん、窓には板を打ち付けた上で、カーテンずっと閉めっぱなしにしてて、もう部屋は真っ暗。完全なる闇。電気がつかないように、蛍光灯全部外してるしね。それで、ずーっとぶつぶつ言ってたけど……親は子供を選べないとかなんとか、ぶつぶつ言ってたけれど、いつからか、私が何を話しかけてもまったく無視するようになった (以下略)」(P.328)
このセリフから、部屋が完全に真っ暗だから、死体になってることに気付かなかったようです。
また、死体のニオイも、ゴミ屋敷だったから、ゴミのニオイに紛れて気付かなかったということです。
よーし、ツッコミ入れていこう!
まず最初に、老倉さんが母親の消失に気づいたのは、「夕食を作って部屋に這入ったら、もぬけのからだった」からだと言ってます。
つまり、毎回の食事は、ひきこもりニートがよくやるように、部屋のドアの前に置いとくとかそういうのではなく、ちゃんと部屋に這入って食事を置いてるわけです。
昼間は学校があるでしょうからノーカンとしても、朝夕2回、部屋に這入ってるわけです。
学校が休みのときは昼食も持って行ったのでしょうかね? そしたら3回です。
いくら部屋そのものが真っ暗だとはいえ、部屋のドアの外は明るいはずなので、間接光は差し込むはずですし、そしたらある程度部屋の中も見えるはずなんですが、それでも気付かなかったのなら、老倉さんはよっぽどアレだと思います。
んで、「部屋のゴミのニオイに紛れて、死体のニオイがわからなくなったんだろう」と言ってました。
いや、家中がゴミ屋敷だったとはいえ、ガチで引き篭もってる母親が、そんなにゴミを出すはずないでしょう。
しかも死体のニオイと紛れるゴミのニオイといえば、生ゴミでしょうが、老倉さんは食事をちゃんと下げていたわけで、生ゴミが部屋の中に溜まるとは考えにくいです。
ってことは、老倉さん、アンタ引き篭もってる母親の部屋に、生ゴミぶち込んでたの?
そりゃ母親も死にたくなるわ!
生ゴミではないとすると、他の悪臭の原因とすれば排泄物ですが、ウンコのニオイと死体のニオイはだいぶ違います。
ウンコのニオイ(便臭)としては、スカトールやインドール、エタンチオール、アンモニア、硫化水素、酪酸などがメインです。(もっとあるし人にもよりますが)
対して、死体のニオイ(死臭)としては、カダベリン、プトレシン、トリメチルアミンオキサイド、メルカプタン、エタンチオール、アンモニア、硫化水素、酪酸などです。
もちろん上記を読んでいただいたとおり、便臭と死臭ではカブる成分もあるわけですが、それ以外の成分が違いますし、なにより配合比がだいぶ違うので、そもそも紛れるような臭いではありません。
しかも、母親はほとんど食事を摂らなかったこともあり、便臭はだいぶ抑えられていたはずなのですが、それでも気づかない老倉さんは、だいぶアレだとしか言えません。
そして決定的な事なんですが、死体が腐り切って溶けてしまったあとの、いわゆる「残り」は「清掃業者がゴミごと処分したんじゃないか」と扇ちゃんが言ってます。
お前は日本の清掃業者ナメてんのか。
母親は部屋の隅から動かなかった、と言っていたことと、老倉さん自身、母親が死んだことに気づいていないことから、死体の残り――つまり骨やら何やらは、ゴミ袋なんかに入れられておらず、そのまま部屋の隅に残っていたはずです。
清掃業者もアホじゃないでしょうから、まず掃除するにあたっては、窓の板も外したでしょうし、カーテンも開けたでしょう。
まぁアホな清掃業者だとしても、強力ライトなんかで部屋に光を取り込んだことでしょう。
「完全なる闇」レベルで暗いままだと、作業がしづらいとか言う状況じゃありませんし。
で、光を取り込んで、ふと部屋の隅を見たら白骨化してる死体があるわけですよ。
そんなもん、即座に警察に通報、および依頼主の老倉さんに報告ですよ。
それがされていない、ということは、死体に気づかないように、何かに偽装もしくは混合して、それとわからず処分させた、っつー事になります。
それができたのは、唯一、老倉さんだけです。
業者が気づいていなかったとすると、老倉さんが処理したことになり、業者が気づいてた場合、老倉さんおよび警察は知っているはずです。
つまり、老倉さんは母親の消失理由というか、すでに死んでたことは絶対に知っているはずです。
扇ちゃんは、「老倉さんも薄々気づいているんじゃないか」とか言ってましたが、薄々どころか最初から全部知っていて、自分で処理しとかないと、この状況にはなり得ません。
単に老倉さんが「忘れたフリをしている」だけなんじゃねーかと。
っつーかそもそも、引き篭もってるとはいえ、それなりに(身辺の世話をする程度に)愛情の残っている母親が、部屋から消えた場合、普通は電気つけて部屋の中探すでしょ。
手紙とか、何か失踪の原因となるものや、失踪の痕跡が残っているかもしれませんし。
話を総合する限り、それすらしていない様子なので、老倉さんは事の真相を全部知っていたとしか思えません。
アララギさんから答えを聞いたとき、老倉さんは「そう――やっぱり、そうだよね」と言ってましたが、「薄々気づいていたことが確信に変わった」というより、「あらかじめ知っていたことを再確認した」という感じでしょう。
上記のことから、同居していた母親の死亡を知った時点で老倉さんには埋葬義務が生じますし、それを放置してゴミ業者に出しているので、おそらく刑法第190条の死体遺棄罪が適用されます。
刑法第190条
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
まぁ当時まだ中学生だったはずですし、事情が事情なのでそれなりの情状酌量もあるでしょうから、保護観察処分、または児童自立支援施設に送致ということになるでしょう。
ていうか家庭の事情を鑑みれば、後者相当が妥当だと思います。
ま、実際はそんなことはなく、普通に引っ越して普通に直江津高校に入学し、また普通に引っ越して転校してったわけですが。
で、最後にアララギさんに送った封筒の内容ですが。
おそらくコレでしょう。

オイラーの等式。
本の冒頭で紹介されているという伏線もありましたし、老倉さんのニックネーム(候補)が「オイラー」であり、最終的に答えがゼロになる(ゼロと等しくなる)という式でもあり、「結果的に何もなかったかのように元に戻った」という、話の内容ともそれなりに関係があります。
また、
自然対数e が老倉さん(物語上の根幹にある)
虚数i が扇ちゃん(実数ではない存在?)
円周率π が羽川委員長(おっぱい!)
であることを暗示していて、そこにアララギさんを示す「1」を足すと、ゼロになる・・・っていうことなんじゃないかなと。
まぁ老倉さんは扇ちゃんの存在を知らないので、これは西尾維新的な考えですが。
いやでも、オイラーの等式が封筒の中身だと、複数枚の便箋である意味はあんまりないんですけどねw
さて!
まぁ長々とツッコんできたわけですが、結局扇ちゃんが何者なのかよーわからんかった、としか言えませんw
一応、判明・・・までいかないものの、「アララギさんに今まで起こってきたこと、これから起こること」を知っている風なキャラであろうとは想像できます。
ただし、忍野メメと同様、羽川委員長に対して警戒・・・というか敵視しているのは確実ですし、それによって好感度が下がりまくってる気がするんですが、まぁそれも含めて「終物語(下)」を楽しみにしたいところです。
・・・あ、そうそう。
「コヨコヨには心配かけてごめんね。今度のデートでベロチューいっぱいするから許してね ☆☆☆私あなたのベロちゅーどく☆☆☆☆☆☆」
というメールをガハラさんから受け取ったアララギさん。
死ねばいいのに。
(2013/11/2 追記)
しまった、うっかり忘れてた。
ラスト付近のガハラさんのメール、なんであんな電報風だったのか。
いろいろ悩んだ結果、なんかの暗号だと思って解いてみたら、とっくに同じ答えに辿り着いた人がいてワロタ。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10115419975
メール全文を『ヨコ』にして、『アナタノ』から『ヒダリ』『ヨコ』を読むわけです。

『ヨコヨコヘ』の部分(行)と、『ワタシアナタノベロチュードク』の部分と、最後の『オイクラサンカラノ〜 アナタノヒダリヨリ』は、単なる指示文なので無視すると、「用意して呼べ」になりますね。
まぁ西尾維新のことなので、こんな安易な暗号ではないんだと思いますが、正直私程度だとこれが精一杯です。
・・・っつーかアララギさんの携帯だかスマホは、メールがタテ書きで届くのか・・・?
普通ヨコ書きで届くよなぁ・・・? じゃあまたよくわからんことになるが・・・。
本文中の書名は反転しておきました。 あと、失礼ですが一応コメントの書名も伏せ字にさせて頂きました。
コメントありがとーございます。
確かにあの過酷な状況において、思春期の女子中学生がマトモな精神でいられるはずはありませんね。
死体に気づいて粛々と処理し、その記憶を封じ込めた・・・というセンも充分にあり得ます。
ただ、その後普通に直江津高校に入学したり、アラララさんと接触したりとアグレッシブな行動をしているので、(愚物語のエピソードも踏まえて)メンタルの強さはなかなかのものを持っていると思いますw
なるほど! そういう解釈もありますね。
「用意して呼べ」となったのは単なる偶然の結果なのだとすると、単にラブラブなメールだったということで、最終的にアララギさんは爆発していいと思いますw
しかし、捻りもなく普通じゃつまらない若しくはツンデレな照れ隠しとして「アナタノヒダリヨリ」と書いて送ったのだと思いました。
というよりは僕がその方が可愛らしいなと思うのでただの願望です笑
ガハラさんのツンデレ(ツンドラ)っぷりは見ててコッチが恥ずかしくなるというか、むしろ「アララギさん爆死しろ!」って感じですが、物語シリーズのヒロイン勢はなんだかんだで全員かわいいと思えるのがすごい。
傷物語の映画も来年1月に最終話のクライマックスに突入しますし、まだまだ目が離せないですねぇ。